今回は背骨と骨盤の関係です。
背骨は前のレッスンで紹介した通り、1個の骨はそんなに動きませんが、全部が動くとボールチェーンのようにスムーズに動きます。
さて、その下に骨盤があります。
もっと正確に言えば、仙骨(図のA)が腸骨(図のB)にはさまれて骨盤は構成されています。 骨盤の中心に背骨が埋まっているのです。
だから、腰を動かすためには背骨と骨盤の間の仙腸関節(図のC)が大きく関わってきます。
野口体操でいうみしりさしりの動き(お尻歩き)は、仙腸関節が動き、また座って歩くとき、股関節が床から浮いているので腰と脚の付け根をほぐすのに効果的です。このように、骨盤から動かすと背骨も一緒に動き、背骨周りの筋肉が緩和し身体も楽になります。1日中同じ姿勢が続いている方は、時々お尻を前後左右に動かしてみて下さい。
<注意>
座った時にお尻の下でゴリゴリしているのは骨盤の座骨という骨で、 お尻歩きをすると、
この骨が主張して出てきます。
その時に骨盤の真上に胴体がのっているということです。
野口体操とは?
野口体操とは?
野口体操とは、故野口三千三・東京芸術大学教授によって始められた体操で、学校教育で行われている体操とも、西洋的なエクササイズとも、東洋的な身体道とも違った、独特のものです。
「生きている人間のからだは液体的なものである」
「力を抜けば抜くほど力が出る」
「年をとればとるほど体は柔らかくなる」
などの考えのもとに、重力に逆らわず、自然な状態で、からだの内側の声を聴きながら行われる体操です。
この独特な体操理念や体の動きは、現在の演劇・美術・音楽等の世界にも多大な影響を与えています。